コラム 地震のココロ構え

意識を0から1へと変える。そこから防災の世界が広がる。

2016/06/14

_MG_7943田中美咲さん

たなか・みさき●1988年奈良県生まれ。一般社団法人『防災ガール』代表理事。立命館大学産業社会学部卒業後、株式会社『サイバーエージェント』に入社。ソーシャルゲームのプランナーとして様々な賞を獲得。その後、東日本大震災をきっかけに、復興支援を行う公益社団法人『助けあいジャパン』に転職し、福島に移住。2013年12月、独立。2013年より任意団体として活動していた「防災ガール」を、2015年3月11日に法人化し、代表理事に。


「防災ガール」って、どんなガール?
その名前のとおり、防災について考え、発信する、
若い女性が集まる団体であり、メンバー一人ひとりが防災ガールだ。
いつか起こる災害に向けて、楽しくおしゃれにわかりやすく、
すべての人の生活に防災が根付くことを目指している。


意識を0から1へと変える。そこから防災の世界が広がる。

タウンページの別冊「防災タウンページ」の製作や、企業や行政と組んで行うスマホゲームを使った防災訓練、おしゃれな防災グッズブランド『SABOI』のプロデュースなど、防災することが当たり前の社会を目指し、様々なプロジェクトを進める一般社団法人『防災ガール』。代表理事・田中美咲さんは、「私たち日本人は、今後30年以内に、2人に1人が何らかの災害に遭うというデータがあります。一方、防災対策をしている人は少なく、20〜30代の若者では、たったの4人に1人。最も防災意識の低い世代といわれています」と話す。

わかっているが面倒くさい、楽しくない、根拠はないが自分だけは大丈夫な気がする……と防災に興味がわかない理由は様々だが、それではもしものときに自身の命を守れない。そんな意識を変えたくて、田中さんは2013年に任意団体『防災ガール』を設立。「きっかけは、東日本大震災です。当時私は、福島で復興支援に携わっていましたが、自分にしかできないことを、と防災に取り組み始めました」。まずは1か月間、見る、聞く、読むなど防災に関するインプットをして活動に備えた。自身の防災意識も大きく成長したという。「私たちのほとんどは、防災のプロではありません。専門家の知識や意見は、的確だし重要ではあるけれど、一つひとつの言葉やアウトプットが難しくてなかなか耳に入ってきません」。そこで防災ガールのコンセプトは、「もっと防災をオシャレでわかりやすく」とした。

「防災は特別なことでなく、生活の一部、当たり前のことであるべきだと思います。つまらない、難しい、ダサいでは、若い人には、なかなか興味を持ってもらえません」。そこで田中さんは、毎日を楽しむことが得意で、行動力のある若い女性と防災をつないだのだ。

楽しく、おしゃれな防災を発信したい。

若い女性が楽しく防災を語ることで、同世代に防災への興味が広がってきている。防災ガールのメンバーは、それぞれの得意分野を生かして、難しく聞こえる防災情報を、親しみやすいかたちに"翻訳"して伝える活動を行っている。「日々の暮らしでも、少し視点を変えるだけで『防災』が見えてきます。たとえば、ファッション雑誌でニューヨーカーの足下を見た防災ガールの一人は『ヒールを履かず、スニーカーを履いている女性が多い。これは防災だ!』と知らせてくれました」。

つまり、頭の片隅に「防災」というキーワードがあれば、日常の全てのことが防災とつながるし、もしもの時はこうしたらいいという考えが浮かんでくる。

「だから、防災に関する記事をチラッと読んだり、防災ガールのSNSに『いいね!』を押すことだって、防災を意識する第一歩。立派な防災アクションです。一歩目のハードルが低くても、そこを乗り越えたかどうかで大きく違ってきます。そこから防災の世界は広がっていくし、周囲の人に伝播するのです」

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